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どうなる?永住許可厳格化でマイホーム購入計画を考える

9月18日
読了時間: 15分

更新日:3 日前


日本で長く働き生活する在留外国人にとって、マイホームの購入は家族の安定と定住の証です。しかし現実には多くの大手銀行が「永住者または特別永住者であること」を住宅ローンの必須条件としており、永住許可が取得しにくくなる中でこの壁はより高くなっています。

【2026年10月追記】この記事の永住許可についての説明は、令和8年2月24日改訂のガイドラインをもとにしています。2026年10月1日に「永住許可に関するガイドライン」が再び改定され、世帯の年収、年金、日本語能力(B1相当以上)、日本の制度・ルールの理解などの考え方が明記されました(2027年4月1日以降の申請から適用。一部の項目を除く)。くわしくは「熊本で永住許可を申請するには?【2026年10月改定ガイドライン対応】」をご覧ください。


本記事では、入管庁の公式ページ・各金融機関の公式FAQ・行政不服審査法の条文・専門家解説を確認した上で、①永住権なしでも申込できる金融機関の正確な情報、②連帯保証人・共有名義・頭金積み増し・ノンバンク等の具体的戦略、③法的権利とリスクを三面から解説します。なお永住許可の不許可に対する審査請求(行政不服申立て)は行政不服審査法第7条第1項第9号により適用除外であり法律上できないという重要な事実も明記します。


現状整理——問題の構造と2026年10月改定の影響

📋


永住許可厳格化


(2026年10月〜)


入管庁が2026年8月4日に公表したガイドライン改定案で、世帯人数に応じた日本人世帯の平均収入を上回る年収、厚生年金30年相当の受給見込額、日本語能力B1水準等の要件が追加される見込み(2026年9月時点パブコメ中・正式施行予定2026年10月)


🏦


銀行融資の現実


三菱UFJ・みずほ・三井住友・りそな等の大手都市銀行・フラット35は永住者または特別永住者が原則。ただし調査対象21機関中13機関が永住権なしでも申込受付(Expat Mortgage Japan 2026年9月8日実査)


⚖️


法的状況の整理


外国人の不動産購入は法律上制限なし。ただし永住不許可への審査請求は行政不服審査法第7条第1項第9号(適用除外)により不可。再申請が唯一の現実的手段


永住許可ガイドライン改定(2026年8月4日 入管庁公表)の最新状況


入管庁は2026年8月4日、永住許可の新ガイドライン改定案を公表しパブリックコメント(意見公募)を実施しました(締切:2026年9月4日)。収入要件の改定(日本人世帯平均を上回る年収)は2026年10月施行予定。年金・日本語能力・配偶者特例延長等の他の変更点は2027年4月申請分から適用予定。ただし2026年9月時点ではまだ正式施行前であり、最新情報は入管庁公式ページでご確認ください。


【金融面】永住権なしでも申込可能な金融機関

各金融機関の公式ページおよびFAQを確認した情報をまとめました。条件は個別審査によって異なるため、必ず各金融機関の公式情報で最新の条件をご確認の上お申し込みください。


金融機関

永住権

主な条件

対応言語等

東京スター銀行 (スター住宅ローン)

不要

在留資格あり・正社員1年以上勤務・主要都市圏の物件・完済75歳以下。給与振込口座指定で金利1.10%引き下げ

日本語・英語・中国語等

SMBC信託銀行 プレスティア

不要

在留資格あり(短期滞在除く)・前年度年収1,000万円以上・団信加入可能・完済80歳未満(公式FAQ確認済み)

英語対応可

スルガ銀行 (外国人向けプラン)

不要

年収400万円以上・勤続1年以上・日本語で契約内容が理解できること。全国対象(個別審査)

英語商品説明あり

SBI新生銀行

条件付き

永住権なしの場合は配偶者が日本国籍または永住権を持ち連帯保証人になること。首都圏・近郊対象

英語対応可

交通銀行

不要

在留資格あり・自己居住用は年収300万円以上・満20歳以上64歳以下。当行口座開設要(公式確認済み)

日本語・中国語

中国銀行

不要

原則として在日居留資格を有する中国籍の方向け

日本語・中国語

フラット35 (住宅金融支援機構)

必須

永住者または特別永住者に限る。永住権でなかったことが判明した場合は一括返済(公式ページ明記)

—

三菱UFJ・みずほ 三井住友・りそな等 大手都市銀行

原則必須

永住者・特別永住者が原則。一部例外あり(個別審査・要確認)

—


※上記は2026年9月時点の公式情報をもとにした概要です。金利・条件は変動します。最新情報は各金融機関の公式サイトで必ずご確認ください。「年収500万円以上」等の表記がある一部の情報は古い可能性があるため、プレスティアは公式FAQ記載の「1,000万円以上」を採用しています。


【5つの戦略】融資を実現するための具体的アプローチ

①戦略


最も間口が広い——金融機関の絞り込み


永住権なし対応の専用ローン・外国人向け銀行を選ぶ


東京スター銀行・スルガ銀行・交通銀行など、外国人専用商品を持つ機関を最初の選択肢に


正社員として1年以上勤務し、安定した収入があれば東京スター銀行やスルガ銀行への申込が現実的です。年収条件が比較的低めの交通銀行(300万円以上)も選択肢です。プレスティアは年収1,000万円以上が必要なため、高所得の方向けです。まずこれらの専用ローンをすべて検討してから次の戦略に進むのが基本の順序です。


⚠️ 専用ローンは大手銀行より金利が高め・LTV(融資比率)が低めの傾向があります。総返済額のシミュレーションを事前に行い、家計への影響を十分に検討してください。


②戦略


選択肢を広げる——人的担保


日本人または永住者の配偶者を連帯保証人・連帯債務者にする


多くの金融機関が「日本人または永住者配偶者の連帯保証」を条件に外国人の申込を受付


日本人または永住者の配偶者が連帯保証人になることで、大手銀行でも申込可能なケースが増えます。SBI新生銀行は「配偶者が日本国籍または永住権を持ち連帯保証人になること」を条件に永住権なしでも申込受付しています。連帯保証人は主債務者が返済できない場合に全額返済義務を負うため、配偶者の理解と同意が前提です。


⚠️ 連帯保証人を立てる場合、通常より金利が高めに設定される傾向があります。また連帯保証人は借り入れと同等の債務を負うことになるため、配偶者の信用情報・収入も審査対象になります。


③戦略


審査通過率を上げる——自己資金


頭金を積み増してLTV(融資比率)を下げる


物件価格の20〜30%以上の頭金が、審査通過の鍵になる


頭金が多ければ多いほど融資審査に受かりやすく、特に審査基準が厳しい永住権なしの外国人の場合は、できるだけ多く用意することが重要です(はじめての住宅ローン・リクルート公式コラムより)。物件価格に対して20%以上の頭金を用意することで、金融機関のリスク評価が下がり審査通過率が上がります。地方圏(熊本など)では物件価格が低いため、頭金の絶対額を抑えやすいというメリットがあります。


💡 永住許可取得までの期間を賃貸で過ごしながら頭金を積み上げ、許可後にフラット35等の有利なローンで購入する段階的アプローチも検討に値します。


④戦略


国籍を活かす——海外の金融機関


母国の銀行の日本支店を活用する


中国銀行・交通銀行など、母国の信用情報が活用できる可能性


母国の銀行の日本支店を利用すれば、本国の信用情報を活用できる可能性があります。中国籍の方であれば中国銀行(在日居留資格のある中国籍の方向け)や交通銀行(在留資格あり・年収300万円以上)が選択肢です。日本の金融機関に断られた場合の現実的な代替手段です。


⚠️ 金利体系が日本と異なり変動リスクを伴う場合があります。また返済通貨・為替リスクについても事前に十分確認が必要です。


⑤戦略


最終手段——審査基準の違う金融機関


ノンバンク(不動産担保ローン)を活用する


審査基準が比較的柔軟。ただし金利が高く総返済額が大幅増になる可能性


銀行の審査に落ちた場合でも、ノンバンクなら対応可能な場合があります。ノンバンクの不動産担保ローンは物件の担保価値を重視するため、個人の在留資格よりも担保評価で審査が通るケースがあります。


⚠️ ノンバンクの金利は年3〜5%以上になるケースが多く、銀行ローンと比べて総返済額が大幅に増える可能性があります。事前に必ず返済シミュレーションを行い、月々の返済額と総返済額を確認してから判断してください。最後の手段として位置づけることが重要です。


【不動産面】物件選択・取引構造の工夫


共有名義スキームの活用

永住者または日本人の配偶者・パートナー・親族と物件を共有名義にする方法があります。共有持分に応じてそれぞれが融資を受けるため、日本人・永住者の持分についてはフラット35も利用可能です。例えば夫(外国人・技人国)と妻(永住者)が5:5の共有名義で購入し、妻の持分についてフラット35を利用するスキームが現実的です。


ただし将来の持分移転(贈与・相続)に際して贈与税・不動産取得税の課題が生じる可能性があります。税理士への事前相談を推奨します。



▶ お気軽にご相談ください(年中無休 9:00〜20:00)


地方圏での物件選択——熊本・菊陽町の場合

LTVを下げるために物件価格を抑えることが有効です。熊本県菊陽町のような地方圏は首都圏に比べて物件価格が低く、同じ収入水準でも頭金比率を高めやすい環境です。首都圏で5,000万円の物件より、地方圏で2,000万円の物件のほうが「頭金30%=600万円」の準備が現実的です。台湾積体電路製造(TSMC)の進出に伴い菊陽町周辺では外国人居住者が増加しており、外国人向けサポートも充実してきています。


外国人の不動産購入は法律上制限なし


外国人であっても日本の土地・建物を購入する法的権利に制限はなく、不動産登記も可能です。住宅ローンの融資条件が厳しいのは銀行の内部審査基準の問題であり、法律上の購入禁止ではありません(住まいサーフィン編集部コラム・2025年12月確認)。


【法律面】権利・リスク・重要な法的注意事項

外国人の不動産購入権——法律上の制限なし(確認済み)


外国人でも日本の不動産を購入する法的権利は認められており、国籍を理由にした一律の制限はありません。所有権も日本人と同様に登記されます。世界的に見ると外国人の不動産購入に何らかの制限を設ける国は多く、日本は主要国の中でも比較的オープンな市場です。


住宅ローン控除——永住権の有無ではなく要件充足で判定(確認済み)


住宅ローン控除(住宅借入金等特別控除)は、永住権の有無そのものではなく要件を満たすかどうかで判断されます。自ら居住する住宅であること・床面積・所得要件・一定期間以上の住宅ローンであること等が重要です。永住者でなくても要件を満たせば適用される可能性があります(税務署・税理士への確認推奨)。


永住許可取消制度(2024年入管法改正)とローン一括返済リスク


2024年の入管法改正で導入された永住許可取消制度により、公的義務不履行(税金・年金の滞納等)があると永住権が取り消される可能性が生じました。フラット35は「永住者でなかったことが判明した場合は一括返済」と明記しています。住宅ローン契約の際は必ず約款の「期限の利益喪失条項」を確認し、在留資格の変更・喪失が一括返済事由になるかどうかを確認してください。


【重要】永住許可不許可への審査請求——法律上できない(条文確認済み)


行政不服審査法第7条第1項第9号は「外国人の出入国または帰化に関する処分」を審査請求(行政不服申立て)の適用除外と明定しています。永住許可は入管法第22条に基づく在留資格の変更許可であり「外国人の出入国」に関する処分に該当するため、審査請求そのものができません。特定行政書士による代理も、審査請求自体ができないため不可です。特定行政書士の法定研修でも、永住許可・帰化申請は「審査請求の適用除外」として明確に教示されています。不許可後の現実的な対応は、不許可理由を分析した上での再申請のみです。


ネット上に誤った情報があります——「特定行政書士が永住不許可の審査請求を代理できる」は誤り


「2026年1月の行政書士法改正で特定行政書士の業務範囲が拡大し、永住不許可への審査請求代理ができるようになった」という趣旨の情報を目にすることがありますが、これは法律上の誤りです。改正行政書士法が拡大したのは建設業許可・農地転用等の一般行政処分についての前段階関与なし案件への対応です。入管法上の永住許可は行政不服審査法の適用除外であるため、改正前も改正後も審査請求の対象外です。


在留資格別 現実的な戦略マトリクス

状況によって最適な戦略が異なります。ご自身の在留資格・収入・家族構成を確認した上でご参照ください。


技人国・


高度専門職


(年収700万+)


最も選択肢が広い


  • 東京スター銀行・スルガ銀行・プレスティア等の専用ローンが現実的

  • 頭金20%以上を準備し、連帯保証人があればさらに有利

  • 地方圏(熊本等)の物件なら頭金比率をさらに高められる

  • 永住申請の並行準備で取得後にフラット35に借り換えも視野


技人国・


高度専門職


(年収300〜700万)


頭金積み上げが最重要


  • 東京スター銀行・スルガ銀行(年収400万以上)を中心に検討

  • 交通銀行(年収300万以上)も選択肢

  • 頭金30%以上を目標に積み上げながら永住申請も並行準備

  • 地方圏の物件でLTVを下げる戦略が有効


日本人配偶者・


永住者配偶者等


日本人・永住者配偶者の活用が鍵


  • 日本人・永住者配偶者を連帯保証人・連帯債務者にするルートが有効

  • 共有名義にして配偶者の持分でフラット35を適用するスキーム

  • SBI新生銀行(配偶者が日本人・永住者で連帯保証が条件)も選択肢

  • 婚姻3年・在留1年で永住申請可能な場合は申請を急ぐ価値あり(改定前に)


特定技能1号・


技能実習移行中・


留学後就労直後


段階的アプローチが現実的


  • 現時点での購入は金融ハードルが高く、信用情報・自己資金の積み上げを優先

  • 日本のクレジットカードの利用履歴・納税・年金支払いの実績を積む

  • 特定技能2号移行・永住申請資格が得られる段階で購入を本格検討

  • 購入前倒しを検討するなら頭金50%以上でノンバンクの不動産担保ローンも


よくある質問(FAQ)

行政不服審査法第7条第1項第9号により「外国人の出入国に関する処分」は審査請求の適用除外であるため、行政不服申立て(審査請求)は法律上できません。特定行政書士による代理も、審査請求自体ができないため不可です。

現実的な対応は次の通りです。①入管庁に不許可理由の説明を書面で求める、②行政書士と一緒に不許可理由を分析する、③不許可の原因(収入・年金・税金・在留期間等)を解消した上で再申請する——この3ステップが基本です。永住許可は回数制限なく再申請できます。

在留資格の更新・変更を繰り返しながら返済を続けることは可能ですが、注意すべき点があります。まずフラット35は「永住者でなかったことが判明した場合は一括返済」と明記しているため、永住者以外は利用不可です。次に東京スター銀行等の専用ローンを利用している場合、約款の「期限の利益喪失条項」に「在留資格の喪失・変更」が一括返済事由として含まれているかどうかを契約前に必ず確認してください。また2024年の入管法改正により永住許可取消制度が導入されたため、税金・年金・健康保険の期限内納付を徹底することが永住者にとっても住宅ローンを守る上で重要です。

はい、選択肢が増えます。日本人配偶者を連帯保証人・連帯債務者にすることで、SBI新生銀行等の金融機関でも申込可能なケースが増えます。また共有名義にして日本人配偶者の持分についてフラット35を適用するスキームも有効です。さらに日本人の配偶者等の在留資格(婚姻3年・在留1年の継続)であれば永住申請の要件が通常より緩和されているため、永住申請を早期に行い、許可後にフラット35等の有利なローンで購入または借り換えを検討することも一つの戦略です(ただし2026年10月以降は配偶者特例も変更予定のため早めの申請を)。

住宅ローンそのものは金融機関との契約であるため、ローンの斡旋・仲介は行っておりません。ただし①永住許可申請のサポート(書類作成・要件整備の助言)、②不許可理由の分析と再申請戦略の立案、③在留資格の現状確認と許可可能性の評価については行政書士としてご支援できます。マイホーム購入を検討している在留外国人の方で「まず永住許可取得を目指したい」「現在の在留資格でどのような選択肢があるか整理したい」という方はお気軽にご相談ください。


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本記事は入管庁公式ページ(永住許可ガイドライン令和8年2月24日改訂版)・フラット35公式FAQ・行政不服審査法第7条(法令条文)・東京スター銀行・SMBC信託銀行プレスティア・交通銀行の各公式ページ・Expat Mortgage Japan(2026年9月8日実査)等をもとに2026年9月18日時点で作成しています。永住許可ガイドラインは2026年10月に改定予定(パブコメ中)であり、最新の要件は入管庁公式サイトでご確認ください。金融機関の商品・条件は予告なく変更される場合があります。本記事の内容は情報提供を目的としており、個別の法的・金融的アドバイスではありません。住宅ローンに関する最終判断は各金融機関の公式情報および専門家への相談のうえご自身でお決めください。


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