飲食店営業許可の取得をお忘れではありませんか?
更新日:3 日前
飲食店を開業するには、保健所への飲食店営業許可申請が必要です。しかし許可申請だけ済ませれば開業できるわけではなく、食品衛生責任者の資格取得・HACCP(ハサップ)に基づく衛生管理の実施・場合によっては防火管理者の選任届出なども必要になります。
これらを整理せずに開業直前になって慌てる方が後を絶ちません。食品衛生責任者の講習は定員があり、すぐに受講できないケースもあります。開業の4〜6か月前から準備を始めることが理想です。
この記事では、飲食店開業に必要なすべての許可・資格・届出を熊本・菊陽町の行政書士がわかりやすくまとめました。
飲食店開業に必要な許可・資格・届出の全体像
手続き・資格 | 必要な店舗 | 申請・届出先 | タイミング |
飲食店営業許可 | すべての飲食店(必須) | 管轄保健所 | 開業前(工事完了後) |
食品衛生責任者 | すべての飲食店(必須) | 食品衛生協会(講習受講) | 許可申請前までに取得 |
防火管理者の選任届 | 収容人数30人以上の店舗 | 管轄消防署 | 開業前 |
HACCP衛生管理計画 | すべての食品事業者(義務) | 保健所(立入検査時に確認) | 開業時から実施 |
深夜酒類提供飲食店営業届 | 深夜0時以降に酒類を提供する店舗 | 管轄警察署 | 営業開始の10日前まで |
風俗営業許可 | 接待あり・ダンス営業等の店舗 | 管轄警察署(公安委員会) | 営業開始前(審査60日前後) |
菓子製造業許可等 | 菓子・パン等の製造販売を行う店舗 | 管轄保健所 | 飲食店営業許可と同時申請可 |
「調理師免許」は飲食店開業に必須ではない
よくある誤解ですが、調理師免許(国家資格)がなくても飲食店の営業許可は取得できます。必須なのは食品衛生責任者(講習で取得可能)です。調理師・栄養士・製菓衛生師等の資格を持っていれば、食品衛生責任者の講習が免除されます。
営業許可取得までの流れ(全7ステップ)
1
物件の選定・事前相談(保健所へ)
開業の4〜6か月前
物件を契約する前に管轄の保健所に事前相談することを強くお勧めします。施設基準(手洗い設備の場所・シンクの数・冷蔵設備等)が物件の構造によって満たせないことがあります。事前に確認することで、工事費用の無駄や許可が下りないリスクを防げます。
💡 熊本市内→熊本市保健所、菊陽町→菊池保健所が管轄。電話で気軽に相談できます。
2
食品衛生責任者の資格を取得する
開業の2〜4か月前
食品衛生責任者の資格がなければ許可申請書に責任者を記載できません。各都道府県の食品衛生協会が実施する講習会(約6時間・1日)を受講します。eラーニング形式も利用可能です。調理師・栄養士・製菓衛生師等の資格保有者は受講免除されます。
⚠️ 講習会は月に数回しか開催されず、満員になることがあります。早めに申込しましょう。
3
店舗の内装工事——施設基準を満たす設備の設置
工事期間中(保健所と並行確認)
内装工事中に保健所の担当者に設備の配置・仕様を確認しながら進めると安心です。手洗い設備の水栓(自動・レバー・足踏み式等の「手指の再汚染防止」構造が必要)・シンクの数・冷蔵設備の容量・床と壁の素材など、施設基準への適合が許可の前提です。
4
営業許可申請書類の作成・提出
工事完了の10〜14日前
申請書に食品衛生責任者の資格証・営業施設の平面図・水質検査成績書(井戸水使用の場合)・手数料(収入証紙)等を添付して保健所に提出します。申請から検査・許可まで通常10〜14日程度かかります。工事完了前に申請しておくことで開業の遅延を防げます。
5
保健所による施設検査(現地検査)
工事完了後すぐ
保健所の担当者が実際に施設を訪問して検査します。施設基準を満たしていなければ許可が下りません。改修が必要な場合は工事をやり直してから再検査になります。工事業者に施設基準を事前に伝えておくことが重要です。
💡 改修指摘を受けると開業が大幅に遅れる。事前相談と工事中の確認が不可欠。
6
許可証の交付・掲示
検査通過後
検査が通過すると飲食店営業許可証が交付されます。許可証は店舗の見えやすい場所に掲示する義務があります。許可証の有効期間は都道府県によって異なりますが、熊本県は原則として5〜10年程度(施設の状況・改修等によって変わる場合あり)。更新が必要な場合は有効期限前に申請します。
7
その他の届出・開業準備の完了
営業許可と並行
防火管理者の選任届(消防署)・深夜酒類提供届(警察署)・税務署への開業届・労働保険・社会保険の手続きなど、営業許可と並行して他の届出も進めます。HACCP衛生管理計画は開業時から実施し、記録を保存することが必要です。
施設基準——保健所の検査に通るための設備要件
(cite index="18-1">令和3年(2021年)6月の改正食品衛生法施行により、手洗い設備は水栓が自動・レバー・足踏み式など「手指の再汚染防止」の構造が必要になりました。主な施設基準を確認してください。
手洗い設備(専用):調理場に専用の手洗い設備が必要。水栓は手指の再汚染防止構造(自動水栓・レバー式・足踏み式等)。石鹸・ペーパータオル等を常備。
シンク(調理用):食材を洗うシンクと器具を洗うシンクを分けることが基本。1槽・2槽など保健所の指導に従う。
冷蔵・冷凍設備:食材の保冷に必要な温度を保てる設備。温度計が設置されていること。
床・壁の材質:清掃しやすい素材(タイル・コンクリート等)が原則。木材の床は認められないことが多い。
ゴミ箱・廃棄物入れ:ふた付きのゴミ箱が必要。客席と厨房で分けることが基本。
更衣室・ロッカー:小規模店舗では不要な場合もあるが、保健所の判断による。
居住区域との区画:住居と店舗が同一建物の場合、区画(扉等で仕切る)が必要。
防虫・防鼠対策:窓・換気口への網戸設置等が求められる。
施設基準は保健所によって細かい点が異なる
施設基準の詳細は都道府県・市によって異なります。物件契約前に必ず管轄保健所に相談し、図面を持参して確認することが最善策です。特にリノベーション物件・古い建物では基準を満たすための工事費用が想定外にかかることがあります。
食品衛生責任者——取得方法・eラーニング対応
飲食店開業 / 必須資格
食品衛生責任者
すべての飲食店に1名以上の配置が義務。修了証に有効期限はないが定期的な実務講習受講義務あり。
全員必須
取得方法
講習会1日
費用の目安
約1万円
有効期限
なし(永久)
取得方法の詳細
講習会受講(対面):各都道府県の食品衛生協会が開催する講習会(約6時間)を受講。当日修了証が発行される。熊本県では熊本市食品衛生協会等が開催。
eラーニング形式:(cite index="18-1">食品衛生責任者の資格取得はeラーニングも可能です。自宅・スマートフォンから受講できるため、忙しい開業準備中でも取得しやすい。
資格保有者は受講免除:調理師・栄養士・製菓衛生師・食品衛生監視員・医師・薬剤師等の資格保有者は講習不要。
修了証の有効期限なし:資格の修了証自体に期限はなく継続して使用できます。ただし食品衛生法施行規則の規定により、食品衛生責任者は定期的な実務講習会(フォローアップ講習)を受講する義務があります(東京都保健医療局の行政ページで確認済み)。熊本県での頻度・形式は管轄保健所にご確認ください。
重要:(cite index="20-1">アルバイトに食品衛生責任者を取得させたが、開業直前に辞めてしまったという事態にならないよう、飲食店オーナー自らが取得しておくことをおすすめします。常に1名は在籍している状態を維持する必要があります。
防火管理者——甲種・乙種の違いと選び方
(cite index="25-1">建物の収容人数が30人未満であれば防火管理者の選任は必要ありません。ただし、30人はお客様だけでなく、従業員も人数に含まれますので間違えないよう注意が必要です。30人以上の場合は以下の区分で資格が必要です。
甲種防火管理者
収容人数30人以上、延床面積300㎡以上
対象:収容人数30人以上かつ延床面積300㎡以上の店舗
講習:2日間・合計約10時間。修了後に資格証が即日発行。
費用:約8,000円前後(都道府県による)
再講習:(cite index="24-1">特定防火対象物で収容人数300人を超える場合は5年ごとの再講習義務あり。
甲種があれば乙種の業務も担える——将来の拡張を考えて甲種取得が安心。
乙種防火管理者
収容人数30人以上、延床面積300㎡未満
対象:収容人数30人以上で延床面積300㎡未満の店舗
講習:1日・約5時間。修了後に資格証が即日発行。
費用:約7,000円前後(都道府県による)
(cite index="24-1">乙種を取得していても後で甲種が必要になった場合は甲種を改めて受講する必要があります。
消防署への届出 / 選任後
防火管理者 選任届・消防計画の届出
資格取得後、選任届と消防計画を管轄消防署に提出する必要があります。
条件付き必須
選任対象
30人以上
提出先
管轄消防署
タイミング
開業前
防火管理者を選任したらすること
防火管理者選任(解任)届出書の提出:管轄消防署に届出書を提出する。
消防計画の作成・提出:火災予防・避難訓練・自衛消防組織の計画書を作成して消防署に提出する。
防火管理業務の実施:避難訓練の実施・消防用設備の点検管理が主な業務となる。
テナント入居の場合:防火管理者の選任義務は建物全体の収容人数で判断されます(消防法施行令第1条の2第3項)。テナントとして出店する際、自店の客席が少なくてもビル全体の収容人数が30人以上であれば、各テナントの管理権原者(店舗ごと)それぞれに選任義務が生じるケースがあります。必ず管轄消防署に事前確認してください。
▶ お気軽にご相談ください(年中無休 9:00〜20:00)
お電話:090-2713-7500 / LINEで相談する / お問い合わせフォーム
HACCP義務化——小規模飲食店が最低限すべきこと
2021年6月〜 全事業者義務 / 食品衛生法改正
HACCP(ハサップ)に沿った衛生管理
食品を扱うすべての事業者に義務。小規模事業者は「基準B(簡略版)」で対応可。
全員義務
対象
全事業者
罰則
行政指導・改善命令
認証
取得不要
小規模飲食店が最低限行うこと(基準B)
衛生管理計画の作成:(cite index="17-1">小規模事業者は「考え方を取り入れた衛生管理(基準B)」が求められます。日々の温度管理・清掃・手洗いなどのルールをまとめた計画書を作成する。厚労省の業種別手引書を参考にできる。
記録の保存:(cite index="19-1">紙でもExcelでも可。後で見返せるよう日付と署名(または打刻)を忘れないこと。毎日の温度記録・清掃チェックリストが基本。
定期的な見直し:衛生管理計画は定期的に見直し、必要に応じて改善する。
保健所の立入検査で確認されます。(cite index="17-1">保健所による立入検査時に確認される可能性があります。記録が不十分な場合は改善指導を受けます。難しく考えず、まず日々の作業を記録する習慣から始めることが重要です。
その他の届出——深夜酒類・風営法・菓子製造など
飲食店の業態・提供するサービスによっては、営業許可以外にも追加で届出・許可が必要になります。
🍺
深夜酒類提供飲食店営業届
深夜0時〜午前6時に酒類を提供する場合に必要。警察署(公安委員会)に届出する。風俗営業法に基づく届出で、許可ではなく届出のため比較的簡単に手続きできる。
開業10日前までに届出
🎤
風俗営業許可(接待・ダンス等)
ホステスがいる・カラオケで接待をする・ダンスを提供するなど「接待行為」がある飲食店は風営法の許可が必要。審査に約60日かかるため早めに手続きを開始する必要がある。
事前に警察署に相談
🍰
菓子製造業許可
焼き菓子・パン・ケーキ等を製造して販売する場合に必要(飲食店内で提供するだけなら不要)。飲食店営業許可と同時に保健所に申請できる。別途施設基準を満たす必要がある。
飲食店許可と同時申請可
🍶
酒類販売業免許
お酒を小売・通販する場合は税務署から酒類販売業免許が必要。飲食店内での提供(飲食店営業許可の範囲内)は不要だが、未開封のボトルを持ち帰り販売する場合は免許が必要。
税務署に申請
行政書士が関われる範囲とそうでない範囲
飲食店営業許可申請・深夜酒類提供届・風俗営業許可申請・菓子製造業許可などは行政書士が代行・サポートできます。一方、保健所への申請書類の作成・代理提出をすべてお任せいただけます。酒類販売業免許は税理士・行政書士が対応できますが、申請先が税務署となります。まずご状況をご相談ください。
よくある質問(FAQ)
Q 飲食店の営業許可の費用はいくらですか?
申請手数料は都道府県・政令市によって異なり、また定期的に改定されます。熊本県・熊本市の現在の手数料は管轄保健所(熊本市内は熊本市保健所・096-364-3188、菊陽町は菊池保健所・0968-25-4135)に直接お問い合わせください。これ以外にかかる費用として、食品衛生責任者の講習費用(約10,000円前後)、食品衛生協会への入会費(任意)、行政書士への報酬(依頼する場合)があります。行政書士費用は業務内容・事務所によって異なりますので、初回ご相談でお見積もりをご提示します。
Q 自宅でフードデリバリーを始める場合も営業許可は必要ですか?
はい、自宅のキッチンで食品を調理してデリバリー販売する場合も飲食店営業許可が必要です。ただし自宅のキッチンが施設基準(独立した手洗い設備・シンクの数等)を満たせない場合が多く、営業許可専用のキッチンスペースを設けるか、シェアキッチン(許可取得済みの施設を間借り)を利用する方法があります。事前に保健所に相談することを強くお勧めします。
Q 食品衛生責任者と調理師は同じ資格ですか?違いは何ですか?
まったく異なります。食品衛生責任者は飲食店営業許可に必要な衛生管理の責任者の資格で、1日の講習で取得できます。調理師は国家資格で、調理技術と食品衛生の専門的な知識を証明するものです。調理師免許は飲食店開業に必須ではありませんが、調理師・栄養士等の資格を持っている方は食品衛生責任者の講習が免除されます。
Q キッチンカー(移動販売)でも営業許可は必要ですか?
はい、キッチンカー(移動販売車)でも飲食店営業許可が必要です。申請先は車庫(駐車場)の所在地を管轄する保健所です。キッチンカーは移動するため、複数の都道府県で営業する場合はそれぞれの都道府県の保健所への許可が必要です。熊本県内のみで営業する場合は1つの許可で済みます。施設基準はキッチンカー専用の基準が適用されます。
Q 行政書士に飲食店営業許可の申請を依頼するメリットは何ですか?
主なメリットは3つです。①施設基準の事前確認サポート:工事前に必要な設備を整理し、保健所への事前相談に同行(またはアドバイス)できる。②申請書類の正確な作成・代行:書き方のミスや漏れによる審査の遅延を防ぐ。③関連届出の一括サポート:深夜酒類届・防火管理者関連の届出・菓子製造許可等をまとめてサポートできる。開業準備で忙しい時期に許可申請の手間を省けます。開田(ひらきだ)行政書士事務所では初回ご相談を受け付けています。
飲食店開業のご相談
営業許可申請・施設基準の確認サポート・その他届出の一括相談を承ります。
お問い合わせ 090-2713-7500
開田(ひらきだ)行政書士事務所
〒869-1112 熊本県菊池郡菊陽町武蔵ヶ丘北2丁目16-2
年中無休 9:00〜20:00(Webフォームは24時間受付)
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飲食店開業の許可申請、 まずご相談ください
「保健所への事前相談に一緒に行ってほしい」
「食品衛生責任者・防火管理者の取得スケジュールを整理したい」
「深夜0時以降も営業したい。何が必要か教えてほしい」
「許可申請の書類作成を任せたい」
開業準備で忙しい時期こそ、許可手続きをプロに任せることで
本業の準備に集中できます。
ご相談受付中。年中無休・オンライン対応可。
開田(ひらきだ)行政書士事務所 / 〒869-1112 熊本県菊池郡菊陽町武蔵ヶ丘北2丁目16-2
年中無休 9:00〜20:00(Webフォームは24時間受付)
【情報の正確性・免責について】
本記事は食品衛生法・消防法・風俗営業等規制法等の公式情報をもとに2026年9月3日時点で作成しています。申請手数料・施設基準・届出先は都道府県・市区町村によって異なります。最新情報は必ず管轄の保健所・消防署・警察署でご確認ください。本記事は情報提供を目的としており、個別の法的アドバイスではありません。
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