DIPS2.0申請の心臓部:飛行マニュアルの作成と安全対策の立て方(ドローン許可シリーズ第3回)
更新日:2 日前
ドローン飛行の許可・承認を申請する際、国土交通省のDIPS2.0システムに入力するデータ以上に審査官が重視するのが、添付書類である「飛行マニュアル」です。マニュアルは、単なる紙の資料ではありません。貴社がどのような安全体制を敷き、いかにリスクを管理しているかを示す「安全運用の憲法」といえるものです。
今回は、審査を確実に通過させるためのマニュアル作成のポイントと、安全対策の考え方について解説します。
飛行マニュアルとは何か
飛行マニュアルとは、その名の通り「ドローンを安全に飛行させるためのルールをまとめた書類」です。国土交通省のサイトには「標準マニュアル」が公開されており、まずはこれをベースに作成するのが基本です。
しかし、なぜこのマニュアルが審査において重要視されるのでしょうか。それは、航空法上の許可は「特定の条件下での特定飛行」を認めるものだからです。標準マニュアルには、安全のために守るべき項目(飛行前の準備、飛行中の監視、緊急時の連絡体制など)がすべて網羅されています。申請にあたっては、このマニュアルを「自社の飛行現場の実情に合わせてカスタマイズ」し、その運用を国に誓約することが求められます。
マニュアルをカスタマイズする際の重要ポイント
標準マニュアルをそのまま使うことも可能ですが、業務で利用する以上は、以下のポイントを自社仕様に追記・修正することをおすすめします。
①飛行計画の作成手順: 飛行前に、その場所がDIDかどうか、気象状況は適正か、電波環境はどうかの確認をどのような手順で行うかを具体化します。
②飛行前のチェックリスト: 機体のバッテリー電圧、プロペラの傷の有無、GPSの補足状況、SDカードの容量などを、誰がどのようなチェックシートで確認するかを明記します。
③緊急時の連絡体制: 事故発生時に、警察、消防、航空局、そして発注者や物件管理者へ誰が連絡するか、その電話番号と連絡ルートを具体的に記載します。
これらの「具体的で実効性のある内容」がマニュアルに盛り込まれていると、審査官からの心証は非常に良くなり、結果として許可・承認がスムーズに下りることにつながります。
安全対策を「形」にする:カテゴリーⅡの要件
許可・承認を勝ち取るための審査で、審査官が執拗に確認するのが「安全対策をどのように講じているか」です。これには、技術的な対策と組織的な対策の2種類があります。
技術的な安全対策
◇機体のフェイルセーフ: 信号ロスト時に自動で離陸地点に戻る(RTH)機能の設定や、プロペラガードの装着など。
◇気象条件の制限: 「風速5m/s以上では飛ばさない」「視程が確保できない場合は飛行中止」といった、明確な中止基準をマニュアルに設定します。
▶ お気軽にご相談ください(年中無休 9:00〜20:00)
お電話:090-2713-7500 / LINEで相談する / お問い合わせフォーム
組織的な安全対策
◇補助者の配置: 目視外飛行や物件から30m未満の飛行をする際は、周囲を監視する補助者を必ず配置します。
◇立入管理措置: 飛行場所周辺に第三者が立ち入らないよう、看板の設置やコーンの使用、あるいは警備員の配置などを計画に含めます。
◇記録の保管: 飛行記録簿を作成し、飛行日時、機体状況、操縦者、トラブルの有無を必ず記録・保管します。
審査官は何を見ているのか
審査官がマニュアルを見る際、最も懸念するのは「この申請者は、何かあったときに本当にマニュアル通り動けるのか?」という点です。例えば、「緊急時に飛行を中止する」と書いてあっても、その判断を操縦者の独断にするのか、あるいは現場責任者の指示を仰ぐのかが曖昧だと不合格となります。
マニュアルには、単なるルールだけでなく、「誰が、いつ、何を判断して、どう行動するのか」という判断プロセスを明確に書き込んでください。この論理的な組み立てこそが、許可を得るための最短距離です。
まとめ:マニュアルは進化させるもの
飛行マニュアルは、一度作って終わりではありません。実際にドローンを飛行させる中で、「このチェック項目は見落としがちだ」「ここにもう一つ安全対策を追加すべきだ」と気づくことが必ずあります。そのたびにマニュアルを更新し、安全基準を向上させていく姿勢こそが、長期的にはドローン事業の信用を守り、事故を防ぐための最大の防衛となります。
次回は、「機体登録とリモートIDの重要性:申請の前提条件をクリアする」について解説します。飛行許可以前のハードルである、機体の登録プロセスを詳しく紐解きます。
開田行政書士事務所のご紹介
開田行政書士事務所では、飛行許可申請において最も重要な「飛行マニュアル」の作成支援から、DIPS2.0への入力・申請代行まで、専門的な視点でサポートいたします。
【対応エリア】
熊本県菊陽町を拠点に、熊本市、菊池市、合志市、菊陽町、大津町はもちろん、日本全国の飛行申請に対応可能です。
【当事務所の強み】
申請書類は、専門用語が多く、記載内容の整合性を取るのが難しいものです。「標準マニュアルをどう自社向けにカスタマイズすべきか?」「どのような安全対策を記載すればスムーズに許可が下りるのか?」といった疑問にお答えします。当事務所は、貴社のドローン運用現場を理解し、実務で使える「生きているマニュアル」の作成をサポートいたします。
貴社のドローン飛行が安全かつ適法に行えるよう、開田行政書士事務所が全力でバックアップ、面倒な手続きを代行いたします。まずはお気軽にご相談ください。
■ 関連ページ

コメント