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建設業許可取得ナビ

8月22日
読了時間: 15分

更新日:3 日前

熊本県内でも、JASM関連の建設需要・インフラ整備・住宅リフォーム市場の拡大を背景に、建設業許可の新規取得や業種追加を検討する事業者が増えています。建設業許可は取得できれば大きな受注拡大のチャンスになりますが、要件が複数あり、書類の収集・証明が複雑なため、申請前に十分な準備が必要です。


さらに令和6年(2024年)12月に建設業法が改正されて「専任技術者」が「営業所技術者等」に名称変更され、令和7年(2025年)2月には特定建設業の下請金額上限・主任技術者の専任基準金額が引き上げられています。また2024年12月の健康保険証廃止で、常勤性を証明する書類も変わっています。


この記事では、最新改正に完全対応した形で、建設業許可の5つの取得要件・申請でつまずきやすい7つのポイント・申請の流れを行政書士が実務目線で解説します。


【最新】令和6年・7年の建設業法改正ポイント

2024〜2025年の主要改正——申請前に必ず確認


2024年12月13日


施行


「専任技術者」→「営業所技術者等」に名称変更

建設業法第7条第2号及び第15条第2号の条文改正に伴い、申請様式の一部に変更があります。呼称の変更であり、法律上求められる要件に変更はありません。旧称「専任技術者」は今後「営業所技術者等」として扱います。また現場技術者(主任技術者・監理技術者)の専任義務が一部緩和され、一定条件のもとで複数現場の兼任が可能になりました。


2025年2月1日


施行


特定建設業の下請上限額・主任技術者専任基準が引き上げ

人件費や材料費の高騰を実態に合わせた形で改正されました。特定建設業許可が必要になる下請金額及び主任技術者(配置技術者)の専任制が生じる金額が変更されています。具体的には、一般建設業で外注合計4,500万円(建築一式7,000万円)→引上げ後の金額を確認のうえ許可区分を検討してください。


2024年12月〜


健康保険証廃止


常勤性の証明書類が変更——健康保険証は使えない場面が増加

2024年12月2日から健康保険証の新規発行が停止されました。従来、常勤性の証明書類として広く使われていた「健康保険被保険者証(事業所名記載)」は新規発行が停止。常勤性立証書類として、(1)マイナポータルからダウンロードした被保険者情報、(2)健康保険・厚生年金保険被保険者標準報酬決定通知書、(3)住民税特別徴収税額通知書等が活用可能です。


建設業許可とは——29業種・一般と特定の違い

建設業許可は建設業法に基づく許可制度で、軽微な建設工事(建築一式工事で1,500万円未満、その他の工事で500万円未満)を超える工事を請け負う場合に必要です。許可を受けずに請け負うと建設業法違反となり、3年以下の拘禁刑または300万円以下の罰金が科されます。(※2025年6月の刑法改正で、懲役・禁錮は「拘禁刑」に一本化されています)


対象となる29業種

土木工事業


建築工事業


大工工事業


左官工事業


とび・土工


石工事業


屋根工事業


電気工事業


管工事業


タイル・れんが


鋼構造物工事


鉄筋工事業


舗装工事業


しゅんせつ


板金工事業


ガラス工事業


塗装工事業


防水工事業


内装仕上工事


機械器具設置


熱絶縁工事業


電気通信工事


造園工事業


さく井工事業


建具工事業


水道施設工事


消防施設工事


清掃施設工事


解体工事業


※各業種ごとに許可を取得する必要があります。複数の業種の工事を請け負う場合は、それぞれの業種で許可が必要です。


一般建設業 vs 特定建設業


一般建設業許可

多くの中小事業者が取得する許可区分


  • 下請に出す工事の合計が政令金額未満(2025年2月改正後の金額を確認)

  • 財産的基礎:500万円以上の自己資本等

  • 営業所技術者等の資格要件:比較的広い

  • 一人親方・個人事業主でも取得しやすい


特定建設業許可

大規模工事で大きな下請発注をする場合に必要


  • 下請に出す工事の合計が政令金額以上(2025年2月改正後の金額を確認)になる場合

  • 財産的基礎:より厳格な要件(欠損比率・流動比率等)

  • 営業所技術者等の資格要件:一般より厳しい

  • 監理技術者の設置が必要な現場あり


まず「一般建設業」から取得するのが基本


多くの中小事業者は一般建設業許可から始めます。事業規模の拡大に伴い特定建設業許可が必要になった段階で「般・特新規申請」を行います。なお許可は業種ごと・都道府県ごとに取得する必要があります(熊本県内のみ営業→熊本県知事許可、2以上の都道府県で営業→国土交通大臣許可)。


取得要件の5本柱(詳細解説)

建設業許可の取得には、以下の5つの要件をすべて満たす必要があります。一つでも欠けると許可されません。


1要件


経営業務の管理責任者(経管)の設置


建設業の経営を総合的に管理できる役員等を営業所に置くこと


最重要要件


体制イ(一人で満たす)


常勤の役員等のうち一人が建設業の経営業務管理(法人の役員等、個人事業主)を5年以上経験していること。2020年改正で「許可業種での経験」→「建設業での経験」に緩和済み。


体制ロ(組合せ体制)2020年新設


経営経験が5年未満でも、常勤役員等に加え、財務管理・労務管理・業務運営を直接補佐する者(各3年以上の経験)を配置することで要件を満たせる。


証明書類(個人事業主の場合)

  • 確定申告書(第一表)5期分:事業種目欄に「建設業」の記載が必要。所得税を納めた実績として提出。

  • 工事請負契約書・注文書・請求書等(20件以上):建設工事の施工実績として5年以上にわたる証拠が必要。

  • 役員(法人)の場合:登記簿謄本・履歴事項全部証明書で在任期間を証明。


よくある誤解:「建設業の経営経験」は建設工事の施工経験ではなく、経営に携わった経験(役員・事業主)です。現場作業員としての経験は経管の経験としては認められません。


2要件


営業所技術者等の設置(旧:専任技術者)


各営業所に、許可業種に応じた資格・実務経験を持つ技術者を常勤で置くこと


2024年12月名称変更


一般建設業の要件


次のいずれか:


① 許可業種に関する国家資格(施工管理技士・建築士等)の保有


② 学歴+実務経験(高卒5年、大卒3年)


③ 10年以上の実務経験


特定建設業の要件


一般より厳しく、一定の上位国家資格が必要(例:1級施工管理技士、1級建築士)な業種が多い。実務経験のみでの対応が難しい場合あり。


常勤性の証明(2024年12月以降)

  • マイナポータルからダウンロードした被保険者情報:健康保険証廃止後の新たな主力証明書。

  • 健康保険・厚生年金保険被保険者標準報酬決定通知書:社会保険に加入している場合。

  • 住民税特別徴収税額通知書:特別徴収で給与から天引きされている場合。

  • 資格証明書:国家資格の場合は合格証・免許証のコピーが必要。


注意:原則として他の営業所との兼務は不可(同一営業所内での経管との兼任は可能)。また2024年12月の改正で、一定条件下での現場技術者との兼任が可能になりましたが、兼任するには厳格な要件があります。


3要件


誠実性——請負契約に関して不正・不誠実な行為をしないこと


法人の役員等・個人事業主・使用人が、建設業法等の法令違反がないこと


倫理要件


主な確認・証明内容

  • 建設業法・宅建業法・建築士法等に基づく処分を受けていないこと

  • 暴力団員でないこと、暴力団員が事業活動を支配していないこと

  • 申請書や添付書類に虚偽の記載がないこと


誠実性要件は申請書に記載するだけでなく、行政庁の審査で過去の処分歴・法人情報が確認されます。


4要件


財産的基礎・金銭的信用


工事施工に必要な資金力・信用力を持っていること


財務要件


一般建設業の要件


次のいずれかを満たすこと:


① 自己資本500万円以上(純資産額)


② 500万円以上の残高証明書(申請直前1か月以内発行)


③ 500万円以上の預貯金または有価証券


特定建設業の要件


より厳格な4要件すべてを満たすこと:


① 欠損比率20%以下


② 流動比率75%以上


③ 資本金2,000万円以上


④ 自己資本4,000万円以上


注意:残高証明書は申請直前1か月以内に金融機関から発行されたものが必要です。期限切れのものは使用できません。決算書(貸借対照表)で自己資本を確認する場合は最新年度のものを使用します。


5要件


欠格要件に該当しないこと


申請者・役員等が一定の欠格事由に該当しないこと


資格要件


主な欠格事由(建設業法第8条)

  • 破産手続開始の決定を受けて復権を得ない者

  • 建設業法・刑法等に基づいて罰金刑以上の刑に処せられ、5年を経過しない者

  • 建設業の許可を取り消されて5年を経過しない者

  • 暴力団員・暴力団員でなくなった日から5年を経過しない者

  • 申請書や添付書類に虚偽の記載をした者


法人の役員等・個人事業主本人・令3条使用人(支配人等)のすべてが欠格要件に該当しないことが必要です。役員の一人でも該当すると許可されません。



▶ お気軽にご相談ください(年中無休 9:00〜20:00)


申請でよくあるつまずきポイント7選

行政書士として建設業許可申請をサポートするなかで、特に申請者が困惑・つまずきやすいポイントを整理しました。事前に把握して準備を進めてください。


1


POINT


「経管の経験5年」の証明に必要な書類が揃わない


確定申告書5期分は手元にあるが、工事実績を示す請求書・注文書がない・古いものを捨ててしまった——というケースが最も多いつまずきポイントです。建設業での経営経験は、期間だけでなく「実際に建設工事を請け負っていた事実」を書類で証明しなければなりません。


対策:過去5年分の請求書控え・注文書・工事台帳・振込明細書を今から整理・保管する習慣をつける。過去分は取引先に「注文書の再発行」を依頼することも検討する。


根拠:建設業法施行規則第3条


2


POINT


健康保険証廃止後の「常勤性」証明で戸惑う


2024年12月2日から健康保険証の新規発行が停止されました。従来、常勤性の証明書類として広く使われていた「健康保険被保険者証(事業所名記載)」は、新規発行が止まっています。慣れていた証明方法が使えなくなり、代替書類の収集に戸惑う申請者が続出しています。


対策:マイナポータルからダウンロードした被保険者情報、または健康保険・厚生年金保険被保険者標準報酬決定通知書を活用。申請前に管轄の都道府県庁の建設業担当窓口で最新の受理書類リストを確認することを推奨。


2024年12月以降の実務変更点


3


POINT


営業所技術者等の実務経験10年の証明が難しい


資格がなく実務経験で要件を満たそうとする場合、10年間にわたる施工実績を証明する書類が必要です。この10年分の証明書類(注文書・契約書・施工体制台帳等)を揃えることが実務上最も困難な作業のひとつです。在籍していた前職会社が廃業・倒産していると証明がさらに難しくなります。


対策:実務経験期間中の工事関係書類を徹底的に収集する。前職会社が存続している場合は「実務経験証明書」に押印してもらうことで証明できる。資格取得に向けた試験準備を並行して進めることも検討する。


根拠:建設業法施行規則第3条・第4条


4


POINT


「軽微な工事だから許可不要」と思っていたら実は対象だった


「1件500万円未満の工事だから許可不要」と思っていても、同一工事を複数の契約に分割した場合は合計額で判断されます。また建築一式工事(1,500万円未満)と建築一式工事以外(500万円未満)の基準が異なることも混乱の原因です。許可なく請け負ってしまった後に発覚すると行政処分の対象になります。


対策:今後受注を予定している工事の規模・金額を確認し、早めに許可取得の準備を開始する。「今はギリギリ不要」という状況でも、許可取得まで3〜6か月かかるため余裕をもって動く。


根拠:建設業法第3条


5


POINT


決算変更届(事業年度終了報告)を忘れて許可が更新できなくなる


建設業許可を取得した後、毎事業年度終了後4か月以内に「決算変更届(事業年度終了報告)」を管轄行政庁に提出する義務があります。これを複数年怠ると更新申請時に「未提出分を全部まとめて提出しなければ更新できない」という状況になり、直近の財務状況が条件を満たせなくなることも。


対策:許可取得後は行政書士との顧問契約等で毎年の決算変更届を継続的にフォローしてもらう体制を作る。許可取得後のフォローアップも当事務所で対応可能です。


根拠:建設業法第11条


6


POINT


経管・営業所技術者等の退職で許可の維持ができなくなる


許可取得後に経営業務管理責任者または営業所技術者等が退職・死亡した場合、後任を2週間以内に届け出る義務があります。後任が見つからない場合、最終的には許可が取り消されることになります。JASMを含む建設ラッシュで技術者の引き抜き・転職が多い熊本県内では特に注意が必要です。


対策:複数の有資格者を社内で育成しておく。経管と営業所技術者等は同一人物が兼任できる(一人親方でも可)ことを把握しておく。退職の気配があれば早めに行政書士に相談する。


根拠:建設業法第17条の2、第11条


7


POINT


社会保険・雇用保険の加入が完了していない


2020年10月の建設業法改正以降、社会保険(健康保険・厚生年金保険)・雇用保険への加入が建設業許可の要件に実質的に組み込まれています。常勤の役員等・従業員について適切に加入していないと、許可の要件を満たせない・更新できないケースが増えています。「一人親方だから社会保険不要」は誤解です。


対策:許可申請前に社会保険・雇用保険の加入状況を確認し、未加入があれば速やかに手続きを行う。年金事務所・労働基準監督署・ハローワークへの相談も有効。


根拠:建設業法施行規則第7条の4(健康保険等)


申請の流れと標準処理期間

フェーズ

内容

目安期間

事前確認・相談

取得を希望する業種・許可区分(一般/特定)の確認。経管・営業所技術者等の要件充足チェック。

1〜2週間

書類収集・作成

戸籍・登記謄本・確定申告書・工事実績証明書類・残高証明書・資格証明書等の収集。申請書類の作成。

2〜8週間(経験証明書類の収集が最も時間がかかる)

申請書提出

熊本県の場合:熊本県土木部建設企画課または各広域本部建設部へ持参またはJCIP電子申請。

当日

審査期間

県知事許可:標準処理期間は約30〜45日(書類に不備がない場合)。大臣許可は90日程度。

30〜45日

許可通知・番号取得

許可通知書の受取。許可番号が付与され、建設業許可標識の掲示義務が発生。

審査完了後

取得後の管理

毎年の決算変更届(事業年度終了後4か月以内)、5年ごとの更新申請(有効期限3か月前を目安に準備)。

継続的に


熊本県の窓口・管轄について


熊本県内のみで営業する場合は熊本県知事許可(申請先:熊本県土木部建設企画課 建設業係)。熊本県と他都道府県の両方に営業所を置く場合は国土交通大臣許可(申請先:九州地方整備局)が必要です。電子申請システム「JCIP(建設業許可・経営事項審査電子申請システム)」での申請も活用できます。


よくある質問(FAQ)

一人親方(個人事業主)でも建設業許可を取得できます。経管と営業所技術者等を同一人物(本人)が兼任することが可能なため、一人で両方の要件を満たせば申請できます。証明書類として確定申告書5期分と工事実績書類(請求書・注文書等)が必要です。また社会保険の加入状況の確認も忘れずに。当事務所では一人親方の許可取得も多数サポートしています。

建設業許可の有効期間は5年間です。引き続き建設業を営む場合は、有効期間が満了する前に更新申請を行う必要があります。有効期間の30日前(一部自治体では3か月前)が申請期限とされていますが、書類収集に時間がかかるため、有効期限の3か月前を目安に準備を開始することをお勧めします。更新を失念すると許可が失効し、新規申請からやり直しになります。

許可を受けていない業種の工事を軽微な工事の基準を超えて請け負うと、建設業法第3条違反となります。罰則は3年以下の拘禁刑または300万円以下の罰金で、業種追加・更新にも影響します。ただし、許可業種の工事に附帯して必要となる附帯工事(軽微な工事の範囲内)は例外的に認められる場合があります。迷う場合は事前に行政書士にご相談ください。

主なメリットは4つです。①要件充足の事前判断:経管・営業所技術者等の要件を満たせるか、書類収集前に専門的に判断できる。②書類収集・作成の代行:戸籍・証明書類の収集から申請書作成まで一括対応。③最新改正への対応:健康保険証廃止後の代替書類など最新実務情報を反映した申請。④取得後の継続サポート:毎年の決算変更届・5年ごとの更新まで継続してサポート。当事務所では初回ご相談を受け付けています。

「経営業務管理責任者(経管)は廃止されていない。令和2年改正で要件が「緩和・追加」された」のと同様に、専任技術者も廃止されたわけではありません。令和6年12月13日に施行された建設業法改正で「専任技術者」という呼称が「営業所技術者等」に名称変更されましたが、法律上求められる要件に変更はありません。「廃止」という誤情報が広まっている点にご注意ください。


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建設業許可の取得、 一緒に進めましょう

「経管の要件を自分が満たすか確認したい」


「営業所技術者等になれる資格・経験がある人が社内にいるか整理したい」


「書類が揃っているか確認してほしい」


「取得後の決算変更届・更新まで任せたい」


まずご相談で現状を整理するところから始めます。


ご相談受付中。年中無休・オンライン対応可。



開田行政書士事務所 / 〒869-1112 熊本県菊池郡菊陽町武蔵ヶ丘北2丁目16-2


年中無休 9:00〜20:00(Webフォームは24時間受付)


【情報の正確性・免責について】


本記事は国土交通省「建設業許可」・建設業法(令和6年12月13日改正施行)・令和7年2月1日施行の政令改正等の公式情報をもとに2026年8月22日時点で作成しています。法令・運用の詳細は都道府県によって異なる場合があります。最新情報は必ず熊本県または国土交通省の公式サイトでご確認ください。本記事は情報提供を目的としており、個別の法的アドバイスではありません。


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