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特定技能のコンプライアンス管理:定期報告義務と万が一の立ち入り検査への備え(特定技能シリーズ第6回)

4月28日
読了時間: 5分

特定技能の受入れにおいて、企業のゴールは「許可を取ること」ではありません。雇用した外国人材が日本で適法かつ安定的に働き続けられるよう、継続的に「法令順守(コンプライアンス)」を維持することこそが、真のゴールです。


今回は、制度運用における「報告義務」と、入管等による「立ち入り検査」への備えについて、実務のポイントを解説します。


定期報告義務とは何か

特定技能制度では、受入れ企業に対し、定期的な報告義務が課せられています。これを怠ることは、許可要件の欠如とみなされ、最悪の場合は特定技能の受入れ停止処分に繋がります。


主な報告項目は以下の通りです。


①定期報告: 特定技能外国人に対する支援の実施状況や、雇用の状況などを、定期的に(一般的には年1回や3か月毎など、細かな要件に応じて)地方出入国在留管理局長へ報告する必要があります。


②随時報告: 雇用契約が終了したとき、外国人が転職したとき、あるいは給与が未払いになるなど重大なトラブルが発生したときは、速やかに届け出なければなりません。


③登録支援機関からの報告: 登録支援機関に委託している場合でも、委託先が定期報告を行っているかをチェックするのは雇用主である企業の責任です。委託先の報告が遅れた場合、その責任を負うのは企業です。


これらの報告は、電子申請システム(通称:技人国システム等)を通じて行うのが一般的ですが、入力項目が多く、誤字脱字や実績の不整合があれば即座に修正を求められます。


立ち入り検査(監査)とは:もし入管が来たら

時折、入管の担当者が受入れ企業へ「立ち入り検査」に訪れることがあります。これは単なる調査ではなく、企業が特定技能のルールを正しく守っているかを現場で確認するプロセスです。


検査当日にチェックされる主なポイントは以下の通りです。


◇帳簿書類の保管状況: 雇用契約書、給与明細、賃金台帳、支援実施記録などが最新の状態か。


◇外国人本人へのインタビュー: 入管担当者が外国人と面談し、「支援計画通りに支援を受けているか」「賃金は適切に支払われているか」を直接確認します。


◇住居環境の確認: 実際に用意した住居が適切かどうか、物件の状態を確認することもあります。


ここでのチェックで不備が見つかると、「改善命令」が下され、改善するまで新たな外国人の受け入れが停止されます。また、特に悪質な違反(賃金未払い、不法就労の放置など)が見つかれば、特定技能の受入れ資格そのものが取り消されます。


不備を防ぐための「日常管理」

立ち入り検査を恐れる必要はありません。日頃から以下の「3つの原則」を守っていれば、突然の検査でも冷静に対応できます。


①書類をひとまとめにする「特定技能管理ファイル」を作る:

雇用契約書、支援計画書、面談報告書、給与明細、在留カードの写しなど、関連書類は一冊のファイル(またはフォルダ)に集約してください。「あの書類は経理担当が持っている」という状態が、最も検査で心証を悪くします。


②「事実」を記録し続ける:

面談報告書は、「順調です」という一言で終わらせず、「どのような話をしたか」「何が課題か」「改善策は何か」を具体的に記入してください。形式的な記録は、入管の審査官はすぐに「形だけだ」と見抜きます。


③外国人本人とのコミュニケーションを疎かにしない:

最も重要なのは、本人との日常的な会話です。立ち入り検査でのインタビューで、外国人が「実は支援を受けていない」「給与が聞いていた額と違う」と言ってしまえば、どんなに書類が完璧でもアウトです。日頃から本人の悩みを聞き、信頼関係を築いておくことが、一番のコンプライアンス管理になります。


まとめ:コンプライアンスは「経営の安全保障」

定期報告や検査対応を「面倒な仕事」と感じるのは当然ですが、これらは企業の経営を守るための「安全保障」です。特に、最近は不適格な企業を排除する動きが強まっており、入管側のチェック体制は年々厳格化しています。


「うちは大丈夫だろう」という慢心こそが、立ち入り検査での指摘に繋がります。専門家の目線で「今の管理体制に穴がないか」を定期的に棚卸しすることをおすすめします。


次回は、「登録支援機関との付き合い方:委託先の選び方とトラブル回避のコツ」について解説します。専門機関とどのように協力して、外国人材をサポートしていくべきかをお話しします。


開田行政書士事務所のご紹介

開田行政書士事務所では、定期報告書類の作成から、立ち入り検査を見据えた受入れ体制の構築・改善アドバイスまでを専門的にサポートしております。


【対応エリア】

熊本県内全域(熊本市、菊池市、合志市、菊陽町、大津町ほか)はもちろん、日本全国からのご相談に対応可能です。


【当事務所の強み】

特定技能の定期報告は、単なる事務作業ではなく、制度運用の「健康診断」です。当事務所では、貴社の管理書類を点検し、立ち入り検査でも指摘されない万全の状態を整えます。「報告期限を過ぎてしまいそうで不安」「支援内容の記録方法が分からない」という経営者様、ぜひ一度開田行政書士事務所までご相談ください。


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