建設業許可の要件④:欠格要件と誠実性とは?法令遵守が企業を救う(建設業許可シリーズ第6回)
これまで経営経験、技術力、財産的基礎と、許可取得に向けた具体的な「強み」を積み上げる要件について解説してきました。しかし、どんなに技術があっても、どんなに資金があっても、クリアできない壁があります。それが「欠格要件」と「誠実性」です。
建設業は公共性の高い事業であるため、社会的な信用が何よりも重要視されます。今回は、許可を申請する企業が必ずチェックすべき、法的な「足切り基準」について解説します。
許可が降りない「欠格要件」とは
欠格要件とは、一言でいえば「過去に重大な法令違反を犯した人物や企業には、建設業の許可を与えない」というルールです。もし、役員の中に一人でも欠格要件に該当する人物がいれば、会社として許可を取得することはできません。
主な欠格要件には以下のようなものがあります。
◇禁錮以上の刑に処せられた場合: 刑の執行が終わってから5年を経過しないと許可は取れません。
◇建設業法違反による処分: 建設業法の規定に違反し、罰金刑や営業停止処分を受けた場合など。
◇暴力団関係者: 暴力団員である、あるいは暴力団と密接な関係がある場合は、即座に欠格対象となります。
◇許可の取り消しを受けた場合: 過去に許可を取り消され、その取り消しから5年を経過していない場合。
特に「5年」という期間は非常に重いものです。会社経営において、過去のトラブルが現在の許可取得を妨げる可能性があることは、しっかりと意識しておく必要があります。
誠実性とは:信頼される企業であるか
欠格要件は「過去の違反」を見るものですが、「誠実性」はより広い意味で「その会社が法令を遵守し、正直な商売をしているか」という姿勢を問うものです。
建築士法や宅地建物取引業法などの建設関連法規において、過去に不正な行為や不誠実な行為を行っていないかどうかがチェックされます。例えば、請負契約において「嘘をついてだました」「契約内容を一方的に破った」といった不誠実な経歴があると、許可を受ける資格がないとみなされることがあります。
なぜこの基準が厳しいのか
建設業は、住宅や橋、道路など、人々の命に直結するインフラを扱う産業です。もし、不誠実な企業に許可を与えてしまえば、手抜き工事や契約トラブルが頻発し、社会的な混乱を招きます。そのため、国は「技術やお金があるか」だけでなく、「その会社に任せて安心か」を非常に厳しく見ています。
また、近年はコンプライアンス(法令順守)への目が非常に厳しくなっています。以前は「グレー」で許されていたことも、現在は厳格に摘発される傾向にあります。許可申請時には、役員全員の住民票や誓約書を提出し、欠格事由に該当しないことを宣誓しなければなりません。
万が一、過去にトラブルがあったら
「昔の些細な罰金刑が原因で許可が取れないかもしれない」と不安に思う方もいるかもしれません。すべてのトラブルが即座に許可不可になるわけではありませんが、もし過去に少しでも不安要素がある場合は、隠さずに行政書士などの専門家に相談してください。
申請後に過去の違反が発覚すると、許可が下りないだけでなく、虚偽申請として大きなペナルティを受けることになります。正直に現状を伝え、許可が取れる状態(欠格事由が解消される期間を経過しているか等)かどうかを確認することが、遠回りのようで最も近道です。
まとめ:法令遵守は経営の基盤
許可を取得することは、単なる手続きではなく、「我々は法令を守り、誠実に工事を行う企業である」という証明をすることです。日頃から法令を遵守し、適正な契約、適正な施工管理を行うことが、許可取得というゴールだけでなく、建設会社としてのブランドを守ることにつながります。
次回は、許可申請の準備が整った段階で必要な**「申請書類の準備と都道府県ごとのルール」**について解説します。書類の不備で審査が止まらないための秘訣をお伝えします。
開田行政書士事務所のご紹介
開田行政書士事務所では、欠格要件の有無の確認から、法令遵守に基づく安心の許可申請までをトータルサポートいたします。
【対応エリア】
熊本県内(熊本市、菊池市、合志市、菊陽町、大津町ほか)を中心に、日本全国どこからでも対応可能です。
【当事務所の強み】
建設業許可は、申請する側の「誠実さ」を証明する場でもあります。過去の経歴に不安がある場合でも、現在の要件と照らし合わせ、適切かつ法的に問題のない進め方をご提案いたします。
「自社の役員構成で問題ないか?」「過去の件で許可が取れるか不安」という経営者様、ぜひ一度開田行政書士事務所へご相談ください。貴社のこれからの事業展開を、法令のプロとして全面的にバックアップいたします。



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