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既存ビザ保持者の「経過措置」と更新対策。2028年までの猶予をどう使うか(在留資格 経営管理ビザシリーズ第7回)

4月29日
読了時間: 4分

2025年10月の劇的な法改正により、すでに「経営・管理」ビザを持って日本で事業を行っている多くの方が不安に直面しています。特に「資本金3,000万円」や「常勤職員の雇用」という新基準を、次の更新までにクリアしなければならないのかという点です。


第7回では、2028年10月まで設けられている「経過措置」の真実と、更新審査で入管がチェックする「適合見込み」の重要性について解説します。


1. 経過措置(猶予期間)の正しい理解

現在「経営・管理」ビザを保有している方には、施行から3年間(2028年10月16日まで)の経過措置が適用されます。しかし、これは「3年間は何もしなくて良い」という意味ではありません。


更新時の審査ポイント: 2028年10月までの更新申請においては、直ちに新基準(3,000万円・常勤1名等)を満たしていなくても不許可にはなりません。ただし、「2028年までに新基準へ適合させるための具体的な計画と、その進捗」が厳しく問われます。


完全義務化の期限: 2028年10月17日以降の更新申請では、1円、1名の不足も許されない「完全適合」が求められます。


2. 更新申請で必須となった「適合見込み評価書」

2026年現在の実務において、経過措置期間中の更新であっても提出を強く求められるのが、専門家による「新基準適合見込みに関する評価書」です。


誰が作成するか: 第4回で解説した「認定経営革新等支援機関(中小企業診断士・税理士等)」が作成します。


内容の具体性: 「将来、増資する予定です」といった抽象的な言葉は通用しません。「いつ、どのような原資で3,000万円まで増資し、いつ日本人スタッフを採用するのか」を、現在の決算書やキャッシュフロー予測と整合させて説明する必要があります。


3. 「適合見込みがない」と判断された場合のリスク

もし更新審査において、「この事業規模や収益性では、2028年までに3,000万円の積み上げや常勤職員の雇用は不可能だ」と判断された場合、経過措置期間中であっても更新が不許可になる、あるいは在留期間が「1年」から短縮されるリスクがあります。

入管は、新基準を満たせないことが明らかな経営者に対して、早めに他のビザ(技術・人文知識・国際業務など)への変更や帰国を促す運用を始めています。


4. 2028年に向けた「逆算」の経営戦略

経営者が今すぐ取り組むべきは、2028年10月をゴールとした「逆算スケジュール」の策定です。


増資のタイミング: 内部留保(利益)を積み上げて増資するのか、あるいは海外の本社や親族から追加出資を受けるのか。追加出資の場合、第6回で解説した「資金形成過程の立証」が再度必要になります。


採用の準備: 常勤職員1名を雇用するには、給与だけでなく社会保険料等の負担も増えます。これらを支払っても黒字を維持できる事業構造への転換が必要です。


5. 早期の「永住申請」という選択肢

もし、現行の「500万円基準」時代に十分な実績を上げ、永住の要件(居住歴や所得要件)を満たしている場合は、新基準が完全適用される前に永住許可を申請し、経営・管理ビザという枠組み自体から卒業することも有効な防衛策となります。ただし、永住審査においても「将来にわたる事業の継続性」は見られるため、新基準への対応意欲は示しておく必要があります。


まとめ

経過措置は「延命期間」ではなく、日本政府が与えてくれた「ラストチャンス(構造改革期間)」です。2028年はあっという間にやってきます。次回の更新を「ただの更新」と考えず、新基準への適合に向けた第一歩と位置づけて準備を進めましょう。


次回、第8回では、更新審査の成否を分ける「決算書」の読み解き方と、赤字や債務超過がビザに与える致命的な影響について解説します。


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